私がフェイシャルのエステに通いだしたのは、彼氏の何気ない一言でした。「お前可愛いけど、俺が好きな顔じゃないんだよな」と。別段喧嘩をしている最中という訳でもなく、穏やかなトーンで言われました。普段から正直な彼の言葉には一目を置いていた私は、その言葉を聞いた瞬間普通の女性なら怒りを覚えるところを逆に、「彼好みの顔にならなくちゃ」という気持ちに至ったのです。その日から私のフェイシャルのエステ探しが始まりました。意外にも自宅近くに、私が求めるエステルームがありました。
私が求めるエステとは、彼好みの顔にしてくれるエステ。つまり、色が白くて小顔で、目がつりあがり気味というものです。そこのフェイシャルのエステは、美白と小顔が売りでしたので、ビンゴだったのです。早速そのエステルームに通い出したのですが、そのことは彼には内緒にしていました。徐々に表れる効果に彼が気づくに違いない、とその瞬間を楽しみに必死でフェイシャルのエステを続けたのでした。私の意気込みと、そのお店の技術が上手くマッチしたのか、思っていたよりも早くその効果が表れてきました。
我ながら驚くほどで、彼が気づくより早く、親や友人に「最近どうしたの」と言われたものです。彼もその後すぐに気付いたようですが、そこからが私の地獄でした。何と彼は私の顔をまじまじと見ながら、「俺お前の顔が好きじゃないっていったけど、俺に言われて顔を変えるなんてそんな女気持ち悪くて一緒にいられない」と言われたのです。そしてそれ以後彼が私の前に姿を見せることはありませんでした。彼の一言でフェイシャルのエステに通い、天国を見たのもつかの間でした。天国は地獄への道とはよく言ったものです。