私がエステシャンになって三年目の頃でした。従業員同士を切磋琢磨させることをよしとする私が勤めるお店では、エステの技術対決がありました。判定は実際のお客様。どちらもお金を払っていただきます。二人のエステに二度足を運んでいただき、それぞれの施術を受け、その結果気持ちよかった、効果があったなど理由は様々ですが、点数をつけてもらいます。ただし、決して同点にするのだけは許されませんでした。私が対決したのはフェイシャルのエステ部門でした。
当時の私はボディの施術にはかなりの自信がありました。といいますのも、自分自身の10年前がかなりの体型で、それを克服したという実体験がありましたので、お客様の切実な思いをよく解ったというところがあったのかもしれません。お客様にもボディの施術ではよくお褒めいただいたものです。それがフェイシャルのエステになると途端に弱くなりました。もちろん学校で習い、研修を受け、そして何人ものお客様に施術したのですが、思うような結果がでませんでした。それを解っていた店長は、わざとフェイシャルのエステを私にぶつけたのだと思います。対決を言い渡されたのは、決戦の日の二週間前でした。
そこから私の猛練習が始まりました。親、親戚は残り限らずやらせてもらいましたし、フェイシャルを得意とするお店にも何件も通いました。努力したという自信だけはありましたが、結果には全く期待できませんでした。ところが、その決戦は私の勝利に終わりました。努力は実ったのです。今ではフェイシャルのエステの御指名をかなり受けるようになりました。あの対決がなければ、今の私はなかったと思います。